サンマが教えてくれた「思いやり」

こんにちは。Soichiroで「戦略・ブランディング」を担当している松尾です。サンマがおいしい季節がやってきましたね。今回は、防災士としての顔ももつ私が最近出会った思いやりについてのお話です。
炭火の煙に誘われて
毎月、防災士として保育園併設のおでかけひろばに行かせていただき、赤ちゃん連れのママさんパパさんたちと、ゆるっと防災のお話をしています。
先日、園に着くと煙がもくもく。
なにごとか?と寄ってみると、サンマが炭火で焼かれているではありませんか。
近所の魚屋さんが出張してきてくれたようです。お部屋の中では、子どもたちにおさかなのお話もしてくれているようでした。
香ばしい煙の中をくぐって、いつものようにおでかけひろばへ。
ママさんや赤ちゃんたちとひとしきりお話したあと、ひろばの先生が煙の中をお見送りしてくださり、「今日はこのまままっすぐお帰りですか?」とおっしゃる。いつも聞かれないのにどうしたのかなと思いながら「はい」と答えると、先生は「ちょっと待ってくださいね」と職員室へ。
「気にかける」という贈りもの
何かの打ち合わせかな?と思っていると先生が戻ってきて、
「ごめんなさい、先生(私のことを先生と呼んでくださる)の分のサンマはご用意できなくて…数がぎりぎりだそうで」と申し訳なさそうにおっしゃいました。
子どもたちのためのサンマです。いただけるなんて1ミリも思っていなかったので、わざわざ気にかけてくださったことに感激するやら申し訳ないやら。
2人で笑いながら、煙だけ存分にいただいて帰りました。
昔の商人が大切にしていた「言葉の思いやり」
この日の先生とのやりとりが印象に残っていたせいか、後日、ある経営者さまのお話が心に響きました。
「昔は、自分でお商売をしている人が多かったから、何か頼むときも“ひとつでごめんね、次はいっぱい買うわね”、“急がないよ”、”おまけつけとくね!”と、お互いを思いやる言葉やふるまいがたくさんあったものだけどね、今は少なくなったよね」とおっしゃっていたのです。
まさにこの日の先生の気づかいも、そんな“思いやり”のひとつだったなと思いました。
Soichiroが大切にしたい「小さな心配り」
さて、Soichiroでは、commoパートナーズの小茂田さんと数年にわたりチームビルディングに取り組み、さらに私たち自身が「こうありたい」と思えるようなバリューをみんなで話し合って形にしてきました。
その中のひとつに「小さな心配りと感謝を大切に」という言葉があります。
でも、「小さな心配り」ってどんなこと?──これも、みんなで何度も話し合いました。
ある人が「お隣のお庭までちょっとほうきの手をのばして掃いておくような、そんなさりげない思いやりじゃないかな」と例を出し、みんな大きくうなずきました。
もしかしたらその相手は気づかないかもしれない。
でも、その人の仕事が少しでも楽になるといいな。手を出しすぎるのではなく、無理もせず、自分がほうきを持った手をちょっとのばすような、そんなさりげない心配りが積み重なれば、会社も世の中も、きっと良くなっていくはずです。
人の想いが、人を幸せにする
ただサンマの横を通り過ぎるだけではなく、「持たせてあげたい」と思ってくださった先生のその気持ちだけで、私は白ご飯3杯はいけます。実際にサンマを食べたときよりもあたたかい気持ちで帰途につきました。そしてきっとこれから、サンマを見るたび、食べるたびにこの幸せな気持ちを思い出すことでしょう。
たった一言でも、たったひとつのしぐさでも、人は人を幸せにできる。
そう思って、これからも明るい気持ちが宿るような言葉を選んだり、「あなたに会えて嬉しい」を体現していきたいと思っています。
今年のサンマ、いいそうです
ちなみに魚屋さんによると、今年のサンマはいいよ!とのこと。
そろそろ値段も下がってくる頃でしょうか。
みなさんも今晩のごはんにサンマ、いかがですか?