【IT導入補助金 補助率】補助金っていくらもらえるの?
IT導入補助金に興味はあるけど、いくらもらえるのかわからない人は多いのではないでしょうか。
今回はIT導入補助金2024の補助率について、具体的な計算例を出しながら解説していきます。
この記事は以下のような人におすすめ!
- IT導入補助金の補助率について知りたい
- IT導入補助金を利用したらいくらもらえるのか知りたい
- IT導入補助金の上限はあるのか知りたい
IT導入補助金とは
中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツール(ソフトウエア、サービス等)
を導入する経費の一部を1/2から4/5、最大450万円を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートする公的な補助金です。
(参照:2024年度IT導入補助金概要まとめ)
IT導入補助金 補助率とは
IT導入補助金の補助率とは、事業者が使用したITツール導入などにかかる費用に対して何割の補助金を受け取ることができるかを示す割合のことです。使用した経費(税抜き)に補助率をかけた金額を受け取ることができます。
小規模事業者がインボイス対応類型で申請すると、補助率はもっとも高い4/5です。
補助率は申請する枠や金額ごとに異なりますので、各枠ごとに説明していきます。
IT導入補助金の種類
IT導入補助金2024は以下の4枠に大きく分類され、それぞれ事業目的や対象経費、補助率が異なります。(複数社連携IT導入枠は割愛)
補助率一覧表
申請枠 | 補助率 | 補助額 |
---|---|---|
通常枠 | 1/2 | 5万~450万まで |
インボイス対応類型 | 3/4:中小企業 | ソフト ~50万まで |
4/5:小規模事業 | ||
2/3:中小企業 | ソフト 350万まで |
|
2/3:小規模事業 | ||
1/2 | PC・タブレット等 10万まで |
|
1/2 | レジ・券売機等 20万まで |
|
電子取引類型 | 2/3:中小企業 | ~350万まで |
1/2:大企業 | ||
セキュリティ対策推進枠 | 1/2 | 5万~100万まで |
補助金の対象経費は税抜き価格です。補助額を計算する際は税抜き価格でしましょう。
通常枠における補助率と計算方法
通常枠の補助率は1/2です。導入するITツールのプロセス数に応じて補助額の範囲が異なります。また、300万円以上の経費で150万以上の補助額を受け取りたい場合は、4プロセス以上と賃上げが必須です。
また、補助額が5万円からなので、10万円以上の経費から申請できます。
補助額の最大450万円がもらえるのは、経費が900万円の時です。
対象者 | 中小企業・小規模事業者 | |
---|---|---|
種類 | 1プロセス以上 | 4プロセス以上 |
補助率 | 1/2 | |
補助額 | 5万~150万円未満 | 150万~450万円以下 ※賃上げ必須 |
(※賃上げについて参照:【IT導入補助金 加点項目】狙うはこの6つ!)
通常枠での計算方法
対象経費×1/2=補助額
例1)200万円のソフトを導入する場合。
200万×0.5=100万
補助額が100万円なので、実質100万円の支払いで導入できます。
例2)400万円のソフトを導入する場合(3プロセス)。
400万×0.5=200万
3プロセスのため上限額が150万円となり、補助額が200万円ではなく150万円です。
実質250万円の支払いで導入できます。
4プロセス以上と賃上げをしていれば、補助額は200万円です。
プロセスとは
プロセスとは、ITツールを活用して生産性や効率を上げる業務工程のことを指します。
下図の業務プロセスから1種類以上のソフトウェアを導入すると、1プロセスとカウントされます。汎用プロセスの場合は、業務プロセスと組み合わせると1プロセスとなります。
種別 | プロセス | |
---|---|---|
業務プロセス | 共通プロセス | 顧客対応・販売支援 |
決済・債権債務・資金回収管理 | ||
供給・在庫・物流 | ||
会計・財務・経営 | ||
総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム | ||
業務特化型プロセス | その他業務固有のプロセス | |
汎用プロセス | 汎用・自動化・分析ツール (業種・業務が限定されないが生産性向上への寄与が認められる業務プロセスに付随しない専用のソフトウェア) |
インボイス対応類型における補助率と計算方法
インボイス対応類型は、ソフトだけでなくPCやレジなども補助対象です。
ソフトに対する補助率は、補助額50万円を境に3/4(4/5)と2/3に分かれます。PCやレジなどに対する補助率は1/2です。
補助額が50万円までの補助率は3/4(4/5)で、50万円を超えた分の補助率は2/3です。
対象者 | 中小企業・小規模事業者 | |||
---|---|---|---|---|
対象物 | インボイス制度に対応した会計、受発注、決済ソフト | PC、タブレット等 | レジ、券売機等 | |
補助率 | 3/4:中小企業 4/5:小規模事業者 |
2/3 | 1/2 | |
補助額 | 50万円まで 対象ソフトから1機能以上必要 |
50万円超~350万円まで 対象ソフトから2機能以上必要 |
10万円まで | 20万円まで |
インボイス対応での計算方法
ソフトウェア経費
<中小企業>
対象経費が66万6667円までのとき
対象経費×3/4=補助額
対象経費が66万6667円を超えたときは、超えた分の額に補助率をかける
(対象経費-66万6667)×2/3=補助額
<小規模事業>
対象経費が62万5000円までのとき
対象経費×4/5=補助額
対象経費が62万5000円を超えたときは、超えた分の額に補助率をかける
(対象経費-62万5000)×2/3=補助額
PCやレジなど
対象経費×1/2=補助額
例1)中小企業がソフト代50万円とPC代30万円で申請した場合。
ソフト代は66万6667円以下なので補助率3/4、PC代は補助率1/2で計算します。
50万×0.75=37万5000
30万×0.5=15万
それぞれの補助額を足します。PC代の補助額は10万円までなので、
37万5000+10万=47万5000
80万円の経費に対して47万5000円もらえるので、実質負担額は32万5000円です。
例2)中小企業が2機能分のソフト代100万円で申請した場合。
66万6667円分は補助率3/4で、補助額50万円と決まっているため計算しなくてもいいです。計算するなら
66万6667×0.75=50万
補助額50万円を超えた分を補助率2/3で計算します。
(100万-66万6667)×0.666=22万2222
それぞれの補助額を足します。
50万+22万2222=72万2222
100万円の経費に対して72万2222円もらえるので、実質負担額は27万7778円です。
例3)小規模事業者が3機能分のソフト代100万円とレジ代30万円で申請した場合。
62万5000円分は補助率4/8で、補助額50万円と決まっています。
計算するなら
62万5000×0.8=50万
補助額50万円を超えた分を補助率2/3で計算します。
(100万-62万5000)×0.666=25万
レジ代は補助率1/2で計算します。
30万×0.5=15万
それぞれの補助額を足します。
50万+25万+15万=90万
130万円の経費に対して90万円もらえるので、実質負担額は40万円です。
ややこしいインボイス対応類型の補助額を自動計算
(参照:補助金シミュレーター|IT導入補助金2024)
電子取引類型における補助率と計算方法
電子取引類型は、インボイス制度に対応した受発注システムを商流単位で導入する枠です。補助率は、中小企業と小規模事業者は2/3、大企業は1/2です。
対象者 | 中小企業・小規模事業者・その他事業者 |
---|---|
補助率 | 2/3:中小企業・小規模事業者 1/2:その他事業者 |
補助額 | ~350万円まで |
電子取引類型での計算方法
<中小企業・小規模事業者>
対象経費×2/3=補助額
<大企業などその他事業者>
対象経費×1/2=補助額
例1)大企業がソフト代1000万円で申請した場合。
10000万×0.5=500万
補助額は350万円までなので、もらえる金額は350万円です。
1000万円のソフト代が実質650万円で導入できます。
セキュリティ対策推進枠における補助率と計算方法
セキュリティ対策推進枠の補助率は1/2です。
「サイバーセキュリティお助け隊サービス」
に掲載されているサービス利用料(最大2年分)を補助します。
補助額が5万円からなので、10万円以上の経費から申請できます。
対象者 | 中小企業・小規模事業者 |
---|---|
補助率 | 1/2 |
補助額 | 5万円~350万円まで |
セキュリティ対策推進枠での計算方法
対象経費×1/2=補助額
例1)中小企業がツール代100万円で申請した場合。
100万×0.5=50万
100万円のツール代が実質50万円で導入できます。
IT導入補助金を利用できる対象者
中小企業・小規模事業者等(個人事業主含む)です。 電子取引類型では大企業も対象。 納税証明書が必要なので、会社設立の初年度は申請できません。
中小企業者
飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等
業種・組織形態 | 資本金 | 従業員 |
---|---|---|
製造業、建設業、運輸業、ソフトウエア業、情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 | 卸売業 | 1億円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業 | 3億円 | 900人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
上記以外のサービス業 | 5,000万円 | 100人 |
小規模事業者(個人事業主)
業種・組織形態 | 従業員(常勤) |
---|---|
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
IT導入補助金の対象となる経費
IT導入補助金の対象となる経費は、IT導入支援事業者が事務局から認定を受けたITツールと、ITツール導入にあたって購入が必要なPCなどのハードウェア費が対象です。
補助対象となる経費例
- 受発注や決済、会計などのソフトウェア
- 拡張機能
- データ連携ツール
- セキュリティ
- 保守サポート
- PC・タブレット・プリンター・スキャナーなどの複合機器
- POSレジ・モバイルPOSレジ
- 券売機
対象外となる経費例
- リースやレンタル扱いでのITツール。 ただし、サイバーセキュリティお助け隊サービスでは対象となります。
- 補助事業者の顧客が実質負担する費用がITツール代金に含まれるもの(売上原価に相当すると事務局が判断するもの)
- ITツールの利用料が、交付申請時に金額が定められないもの
- 中古品
- 交付決定前に購入したITツール
- 交通費、宿泊費
- 補助金申請、報告に係る申請代行費
- 消費税
IT導入補助金 申請までの流れ
補助金を申請するまでにかかる目安期間は1ヶ月です。準備を始めて補助金がもらえるまでの目安は6~10ヶ月です。
(参照:【IT導入補助金2024 スケジュール】と申請の流れをわかりやすく解説)
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まとめ
今回は【IT導入補助金の補助率】についてご紹介しました。申請者や額によって補助率が異なるので、ややこしかったのではないでしょうか。
よくわからない方でも、IT導入支援事業者に相談しながら申請の準備を進めていきましょう。