自社ECとは?自社ECのメリットや成功事例を紹介!
こんにちは、インターン生のミヤサカです!
Soichiroでインターンしていると最近自社ECの構築を希望される方が増えていることを感じます。
しかし一口に自社ECといっても様々なので、今回はそちらについてお話していこうと思います。
目次
そもそもECは活用すべきか?
ECサイトとはElectronic Commerceの略でインターネット上で買い物ができるサイトのことを指します。BtoC向けのECはここ20年で大きく市場を伸ばし令和元年では約19.4兆円(前年18.0兆円、前年比7.65%増)の規模となっています。
実際、皆さんの中にも大抵のものはインターネットで情報収集してアマゾンや楽天、Yahooショッピングなどで購入するという人がいるのではないでしょうか。
そんな中新型コロナウイルスの影響もあり、これまでよりも人との直接的な接触を避けるような新しいショッピングの形が模索される中で、経済産業省も今後多くのECサイトの利用がこれまでよりも伸びる可能性があると言及しています。
とはいえ、業界ごとにECへのマッチしやすさ、市場の大きさなどさがあると思うので経済産業省のデータを参考にしてそれぞれTOP3を表としてまとめました。
市場規模(億円) | EC化率(%) | |
---|---|---|
1.事務用品、文房具 | 2264 | 41.75 |
2.書籍、映像・音楽ソフト | 13015 | 34.18 |
3.生活家電、AV機器、PC・周辺機器等 | 18239 | 32.75 |
EC化率においては単価がそれほど高くなく、対面で見てもインターネット上で見てもそれほど判断に差がないような物を扱う業界が上位に位置していることがわかります。
市場規模TOP3市場規模(億円) | EC化率(%) | |
---|---|---|
1.衣類・服飾雑貨等 | 19100 | 13.87 |
2.生活家電、AV機器、PC・周辺機器等 | 18239 | 32.75 |
3.食品、飲料、酒類 | 18233 | 2.89 |
市場規模においてはやはり私たちが日常的に消費する物を扱う業界が上位に位置しています。一方で食品などはまだまだ直接買うという意識持っているように思われます。
各業界についてより詳しく知りたい方は経済産業省のホームページから
このように消費者の購買行動がアナログなものからデジタルを活用したものになる中で、そのようなチャネルにおいて消費者にアピールできないことは機会の損失につながる可能性もあります。
自社EC・モール型ECとは
上記ではEC市場について概観しましたが、ECと一口で言っても種類があります。主なものは
- 自社EC
- モール型EC
の二つありますのでそれぞれ説明していきたいと思います。
自社ECの特徴
自社ECとはその名の通り企業自身が独自のドメインを取得して運営するECサイトのことを指します。
つまり、企業自身である程度はサイトのデザインやプログラムを構築する必要があるということです。
そのため場合によっては初期費用が高く、手間もかかります。
一方で、そのサイト上に出品する商品は企業自身が決定することができます。(基本的には自社商品のみ)
例えば、書籍の出版・販売を手がける「三省堂」も下のような自社で作ったWEBサイト上で書籍を販売しています。
モール型ECの特徴
一方で、モール型ECの「モール」とはショッピングモールから来ています。つまり、ある企業が運営するサイトに様々な企業が出店していて、それぞれが商品を出品しているECサイトのことです。
こちらは、具体的には下に示したような「Amazon」や「楽天」などのサイトがあり、そのようなサイトに出品するだけなので、一からサイトを作る必要がなくあまり手間がかかりません。
しかし月毎や、年毎にサイトの運営者に手数料を払う必要があるとともに、自社以外の競合製品も同じサイト内に出品されているというデメリットもあります。
自社ECを構築する方法
やはり自社ECとモール型ECを比較するとどうしても自社ECは取っ付きにくそうというイメージがあると思います。
ですが、自社ECの始め方には様々な方法があって、それぞれに特徴があるのでそれらを見て行きたいと思います。
費用 | 必要な技術力 | カスタマイズ性 | おすすめなEC | |
---|---|---|---|---|
フルスクラッチ | 高 | 高 | 極高 | 大規模 |
パッケージ | 中 | 中 | 高 | 中〜大規模 |
オープンソース | 低 | 高 | 高 | 中規模 |
ASP | 低 | 低 | 低(物によっては中) | 小〜中規模 |
フルスクラッチ
これは皆さんが最も想像するECサイトの構築方法かもしれません。
フルスクラッチはサイトのプログラムからデザインまで全てを設計してコーディングする方法です。
この方法を自社の力のみで達成するには高い技術力と時間がかかるというデメリットがあります。また、外部に委託するにしても高い料金がかかる可能性があります。
一方で、縛られるものがないので自由にサイトを設計することができます。
パッケージ
パッケージはECサイトに必要な基本的な機能がある程度揃ったソフトウェアのことで、ソフトウェアを販売会社から購入することで使用することができます。
オリジナルの機能やデザインを追加したい場合もある程度自由に追加することができます。
こちらは、フルスクラッチよりはカスタマイズ性で劣りますが、始めから設計する手間やコスト、セキュリティ面のサポートでは優れています。
有名な販売会社としては、
などがあります。
オープンソース
オープンソースは無償で公開されているECサイト構築のためのソフトウェアを利用するものです。こちらはソフトを購入する初期費用がかからないのでコスト面では安く抑えることが可能です。
一方で、パッケージのように販売会社からの機能的、デザイン的なサポートが受けられないので技術力は比較的必要になる上、セキュリティ面も自社の責任で行わなければいけないなどの負担もパッケージより大きくなります。
こちらの有名なサービスとしては、
などがあります。
ASP
ASPもパッケージのように基本機能が揃ったプラットフォームを利用してECサイトを構築するというものです。パッケージとの大きな違いは、パッケージがオリジナルの機能を比較的自由に追加できる一方で、ASPでは基本的に大きなカスタマイズは出来ません。
ですがシステムの更新は提供会社が行ってくれる上、初期費用0円で始められるものもあるというコストの低さが特徴です。
また先ほど述べたことと矛盾するようですが、最近では「Shopify」など技術力があればカスタマイズすることが可能なASPも出てきています。
以上の理由から、現在では中小企業が自社ECを制作する際にはASPを利用することが一般的になっています。
有名なサービスとしては、
などがあります。
しかし、ASPと一概に言っても特徴は様々です。表でまとめてみたので、もしASPを利用される場合には参考にしてみてください。
費用 | カスタマイズ性 | 手軽さ | 特徴 | |
---|---|---|---|---|
BASE | 初期費用・月額費用無料 | 低(テンプレートから大きく変えるのは難しい) | 高(メールアドレス・パスワード・ドメインを入力すれば始められる) | 低コスト、手軽なので初心者におすすめ |
MakeShop | 初期費用1万円〜 月額費用1万円〜 |
中(651種類の機能が用意されていて、HTMLでの編集も可能) | 中(テンプレート173種類、自動SEO設定機能、ショップ制作ナビゲーション) | 電話・メールのお問い合わせ、専任アドバイザー、質問掲示板などサポート充実 |
Shopify | 初期費用無料 月額費用29米ドル |
高(2200種類以上の豊富なアプリや、APIも充実) | 中(100種類以上のテンプレート、デザイン性高、サーバーも用意されている) | 越境EC対応、集客においてSNSにも連携 |
自社ECのメリット・デメリット
自社ECのメリット
メリット1.デザイン・初期費用など様々な面で選択肢が多い
先程述べたように自社ECには様々な構築方法があります。
デザイン面では、フルスクラッチやオープンソースを利用すれば比較的自由にレイアウトやカラーリングを決めることができます。つまり技術力さえあれば、自分のイメージをそのまま形にすることができるのです。一方で、あまり制作に自身がない人はパッケージ型やASPを利用すれば手軽に自社ECが作れます。
また、価格面でもオープンソースや、ASPは安価な一方、資金力がある場合はパッケージやフルスクラッチを利用することもできます。
このように、これまでは「高価」、「技術力が必要」といったイメージのあった自社ECですが現在は選択肢の増加によって、それぞれの条件にあった方法を選ぶことができるようになっていると思います。
メリット2.自社商品のブランディングが可能
自社ECはデザインや機能を自由にカスタマイズすることができるものが多いので商品にあったイメージのサイトを作ることが可能です。また、モール型ECでは紹介文などの文字数、スペースが限られてしまいますが、こちらでは制限はないので商品に関わるストーリーなども思う存分消費者に伝えることができ、ブランド名やイメージの定着に繋がります。
メリット3.顧客データの活用が可能
こちらも大きなメリットになると思います。自社ECを運営すれば、そのサイトでどのような商品が人気か、ユーザーがどのような経路でサイトに訪問しているかなどがわかるため的確に課題を認識することができ、それに応じたマーケティング施策を打つことが可能です。
一方で、モール型ECに出店してしまうと運営企業に顧客情報は取られてしまいますし、サイトのマーケティング方針も運営企業が決めるので必ずしも出店企業にメリットのないマーケティング施策がなされる可能性もあります。
自社ECのデメリット
デメリット1.集客するのが大変
こちらはメリット3の裏返しにもなりますが、自社でSEO対策や広告など認知度・売上向上のために継続的に施策を打つ必要があります。一方で、モール型ECは運営会社が集客や更新をしてくれることに加え、他社の商品目的で流入した利用者の目に止まる機会も多いので、手間がかかりません。
デメリット2.継続的、主体的な運用が必要=売上を上げるために時間がかかる
新しいECサイトを作ってユーザーを集めるのは、初めから利用者が数千万人いるサイトに商品を出品するのとは訳が違います。そのためには根気よく長期的な視座に基づいて運営する必要があります。例えば、実際のユーザーとのやりとりやサイトの更新などもユーザーが使いやすいECサイトであり続けるためには必須となります。
自社ECの成功事例
最近では自社ECといってもただ商品が羅列しているようなECはユーザーに選ばれなくなっています。商品のカタログ的な羅列とは別に、ユーザーが購買体験を楽しめるようなコンテンツの作成が求められているといえます。そこで、いくつかにパターン分けして事例を紹介していきたいと思います。
ライフスタイル提案型
このようなタイプのECサイトでは、販売している商品を使った新しい生活の形を提案しています。例えばアパレルブランドのユニクロではユニクロの商品を使ったコーディネートの方法を、家具通販の「LOWYA」では様々なモデルルームを提案しています。また、ブランド側にもクロスセルや、アップセルの効果が期待できます。
このように生活に密着した商品を扱うECはこのような形と相性がいいように思われます。
ストーリー提供型
こちらは、もちろんサイト上で商品を購入することが出来るのですが、購入する際に商品の購入秘話や企業のそれぞれの商品へのこだわりが紹介されています。
買いたい商品は決まっているけれど、どのブランドで購入しようかなどを迷っているユーザーに対しては自社のブランドやストーリーを伝えることでユーザーの判断の根拠にもなりますし、買っていただいた後には愛着を持って使っていただけると思います。
知識提供型
職人醤油さんでは歴史や種類、データなど醤油に関する基礎知識を提供しています。これによって、使用する際の参考にしたり、選ぶ際の基準とすることもできます。このように商品に関する知識をつけながら購入することは、ユーザーの体験を向上させることにもつながります。
最後に
新しいショッピングのスタンダードになるかもしれないECですが、最近では自社ECだけを見ても様々な種類が出てきています。そのため、どれを選べばいいかわからないという方も多くいらっしゃるかも知れません。
そんな時に大切なのは自社の状況と、サービスの特徴を整理することです。まずは構築方法を決めて、そこから細かいサービスの違いを比べていけば求めていたものから大きく外れることはないはずです。
皆さんも最適なサービスを見つけて理想のECを作りましょう!